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理容師・美容師が指名され続ける【心理学】バックトラッキング

カウンセリング
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バックトラッキング=オウム返し。

相手の発した感情や言葉を同じ様に表現・お客様に返していくことで相手の共感を得やすく、信頼関係の構築をしやすくなる心理学の基本パターンです。

楽曲編集やデータ取り込みの際に「トラック」という言葉を使います。「トラック」=「情報の塊」です。この情報を元に戻す意味から作られた言葉です。

理容師・美容師のカウンセリング手法に「おうむ返しはよくない」「おうむ返しだけではよくない」と書かれていることが多いですが、私は疑問に思います。書かれていることを見ると、提案をしていくことを前提に話は進んでいるのですが、おうむ返しもできない自分の提案ばかりのスタイリストについてくる従順なお客様ばかりではありません。そもそもお客様の話を聞く・信頼関係の一歩を築くことに関して、まずは「バックトラッキング」=「おうむ返し」が必要だと思うからです。

バックトラッキング実用例と捉え方の違い

わかりやすいように例題です

40代お客様
40代お客様

今日はカラーリングをしたいのですが

スタイリスト
スタイリスト

白髪染めですね。根元伸びて来てますものね。かしこまりました。

同じ髪を染めるというカテゴリーですが、スタイリストは根元の30%弱の白髪から「染めたい」=「白髪染め」を連想しています。しかしお客様は白髪染めという言葉に抵抗を持っている方であえてカラーリングと言っているかもしれませんスタイリストに悪気はなくとも言われたお客さまは恥ずかしい思いをしているかもしれません。

お客さま
お客さま

パーマをかけて欲しいのですが

スタイリスト
スタイリスト

パーマですね?どんな感じであてます?

パーマをかけて欲しいのです。あてて欲しいのではないです。地域によって言葉の違いはあるとは思います。しかし「あてる」=「おばちゃんパーマ」のイメージを持っている方は高確率で居ます

上記のように同じ様なニュアンスの言葉でもお客様と同じ言葉を使わないことで

  • ちょっと言いたいことが違う
  • この人ちゃんと話聞いているのかな?
  • 微妙にこの人と感覚が合わないかも・・・

といった気持ちのすれ違いを生んでしまいやすくなります。気持ちのすれ違いが生まれてしまうとせっかく提案したいことが受け入れてもらいにくくなります。たくさん勉強して知識を得たのに、生かせる知恵がないのはもったいないです。

バックトラッキングを活用できないスタイリストは上記のように相手の言葉を自分の言葉に変えたり、言葉を難しくして知識あります美容師を演出したり、自分の話したいことを優先したりします。売れないスタイリストの典型です。

お客様の言葉を遮らない

昨今雑誌や各種メディアにて髪型に関する情報が溢れています。ただ、理容師・美容師にとって???という言葉も溢れています。お客さまはが活用方法を間違えた言葉をどう捉えていますか?

お客さま
お客さま

レイヤーを2段にして欲しい

スタイリスト
スタイリスト

???

お客さま
お客さま

かぶさらない2ブロックにしてほしい

???

この様な言葉も雑誌やメディアに書いてあればお客様はそのまま使ってきます。確かに意味わからないですが、私たちは言葉の裏に隠されたお客様の要望を読み取らなければなりません。

前者の場合、遮ることなく話を最後まで聞き入れることでレイヤーオンレイヤーなのかハイレイヤーオンレイヤーなのかグラオンレイヤーなのか。はたまた2ブロックや2セクションなのかを判別できることが多いです。決して

スタイリスト
スタイリスト

レイヤーを2段???どういうことですか?乗っけること?上と下を分けること??

などとお客様を捲し立てるように聞き返さないでください。2段のレイヤーの話に終始してしまいお客様が本来伝えたいことが言えない・忘れてしまい、お客様のオーダーは不感染燃焼で終わってしまうことになります。

スタイリスト
スタイリスト

レイヤーを2段ですね。かしこまりました。ではトップの長さはいかがなさいますか?・・・・

と自然に会話の流れをつなげていき、

スタイリスト
スタイリスト

先程の2段のレイヤーの件ですが、カウンセリングの内容から耳下までが緩やかな段差で耳下から毛先までがしっかりした段差=ウルフスタイルのような形で捉えて良いですか?お写真で言うとこの様なスタイルが近いかと思いますが・・・

最終的にお客様と視覚で確認しあって施術が始まる形に持っていきましょう。カウンセリングが終わってこちらから質問していくと、「そう言えば」と写真を見せてくる様なお客様も多いです。

では後者ではどうでしょう。2ブロック=被せるスタイルですが・・・話を聞いていくとどうやら色彩をはっきり出すこと・フェード=2ブロックという捉え方の様です。

こちらも雑誌やメディアによく出てきます。はっきり言ってやめて欲しいです。お客様をミスリードすることでスタイリストもミスリードされて望んだスタイルになりません。フェードはフェードであり、2ブロックは2ブロックです。2ブロックとフェードを融合させたいのなら2つの言葉を使うべきです。

InstagramやYouTubeなどSNSが発達して、集客の方法やいいねを得ることで自分の存在意義を主張することは大いにするべきだし、お客様に新しい提案をすることはお客様の新しい自分への発見を促す材料です。その情報をもとにお客様は来店されます。お客様の希望するスタイルになれなかった場合、(私は双方納得するまでカウンセリングするのでそれはないですが)お客様の言葉を読み取れなかったこちらの責任でしょうか。情報を発信する側も責任を負うことも考えて欲しいです。

最終的な視覚の確認=ファイナルイメージを両者が統一していないと、仕上がりのイメージが違うなんてことになりかねません。時間をかけてカウンセリングしたのにこれではカウンセリングも提案もあったものではないです。

バックトラッキングの効果

意識してバックトラッキングを使い会話を進めていくことで、お客様に与える印象があります

  • 自分の話を聞いてもらえてる
  • 受け入れてもらっている安心感
  • 信頼感を持てる

なぜお客様はこの様な気持ちになるのでしょうか。

お客様
お客様

髪の毛が膨らんでしまって気になっているのですよ・・・それで相談したくて・・・

スタイリスト
スタイリスト

髪の毛が膨らんでしまって気になっているのですね。(目を髪に移す)そうですね。(少し声のおトーンを下げながら話していく)確かに気になりますよね・・・(心配そうに)

(もう一度お客様に目を戻して)それでどんな相談でしょうか。可能な限りお答えできる様にしていきますので、何なりとおっしゃってください。

内容的には縮毛矯正をしたいのかな?という流れですが、売れない理容師・美容師は「縮毛かければ一発ですよ」なんて言ってしまいます。お客様はなんと言っていましたか?「相談したい」とのことです

お客様が発している言葉に対してただのおうむ返しではなく、感情や表現もおうむ返ししていきましょう()に記されているところがそうです。冒頭にも書きましたが、言葉を繰り返しながら感情や表現も写しだしていくことです。

そこで「何なりとおっしゃってください」と言われると、「今は矯正にかける時間もお金も余裕がないけど今後試していきたい」と返ってくるかもしれませんし、「矯正への不安」が相談の内容なのかもしれません。お客様の心は読めませんが、引き出すことはできる様になります。

こうすることで「YESセット」という説得の方法で「そうなんですよ」「うんうん」「わかります?」となり、お客様は「YES」の方向に話を進める準備ができます。

  • あなたのことを知ろうとしてます
  • あなたのことを理解しようとしています
  • あなたのことを知りたいと思っています

という気持ちを話し方からでも出していくことができます。これがバックトラッキング=おうむ返しの良さです。

バックトラッキングを上手に使う

先程の髪の毛が膨らんでしまうお客様の事例を掘り下げます

お客様:「髪の毛が膨らんでしまって気になっているのですよ・・・それで相談したくて・・・」

スタイリスト:

  1. 「髪の毛が膨らんでしまって気になっているのですね」←事実を繰り返す
  2. 目線を髪に移して少し声のトーンを下げながら「確かに気になりますよね」←気持ちや感情を繰り返す
  3. 「可能な限りお答えできる様にしていきますので何なりとおっしゃってください」←促す言葉

1はバックトラッキングの大前提です。まずは繰り返しましょう。自分が聞く準備と相手が話す準備ができます。

2はお客様が言葉では表せなかったバックトラックです。実生活でも使えます。彼氏彼女が辛いことがあったときに「どうしたの?」だけではなく、「つらそうに見えるけど何があったの?」と声のトーンを下げて聞くと話しやすくなります。子供や同僚にも使える手法です。

3は相手が喋りやすくなるキーワーをを入れることで話に広がりを持たせる方法です。そのほかに「いいね」「私もです」などの肯定的な支持や、「どの辺が一番気になるか」「どんな時に気になるか」などの質問を加えることでさらに引き出しやすくなります。

まとめ

おうむ返しも活用方法でお客様との信頼関係を構築できます。

  • 事実を繰り返すこと
  • 気持ちや感情を繰り返すこと
  • カウンセリングでお客様が話してくれたことを要約すること
  • バックトラッキングしながら、促す言葉や肯定的な支持、質問をする

以上をすることで信頼関係の第一歩を踏みましょう

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