カウンセリングの際に「うまく伝わらんかったなぁ・・・」と悩んだ経験はありませんか?
せっかく技術、接客を学んで、カウンセリングについて勉強して、いざお客様を目の前にすると思うように伝わらない、空回りしてしまう・・・。
ミラーリングやバックトラッキングを効果的に使っていてもお客様へイメージが伝わらず話が進まないのは、お互いのイメージが各々共有出来ていないからです。
そのときに有効になるのが「ストーリーテリング」です。
ストーリーテリングとは
ストーリーテリングとは童話や経験談などのように、物語調に話を進めていく方法で、自分の主張をより明確に進めていくことができます。
今おススメのパーマをすると2か月位は手入れが楽ですよ
と、パーマに対してのイメージが漠然としてしまいうまく伝わりませんが
パーマをかけることで普段の手入れが楽になり、さっとドライヤーで乾かすくらいでボリュームアップして、例えば女優の~さんみたいな感じになりますよ。しかも私のお客様からは2か月位持つから本当に楽だといわれています。
と言われたほうが、具体的なイメージに結び付きやすいです。しかも自分にもパーマがかかっていると、ノンバーバルコミュニケーションとしても成り立ちます。
ただ、間違えてはいけないのが苦労話の時系列はお客様にとってはたして自分の為なのか?が分かりにくいです。
こちらのお勧めパーマは髪に優しい~の薬を使って、自分や複数のモデルさんで研究に研究を重ねて作り上げたんですよ!ほら!
なんて自分の髪を指されて、こんな話されても自分の苦労話ではあるけど、「凄いね・大変だったんだろうな」とはなっても果たして誰の為なのかがわかりにくいのです。
人を引き込む、心を動かすための使い方が大切だと思います。
人を引き込むとは
実体験に基づき自分の提案でお客様をどう変えることができるのか?をイメージさせることです。
なぜなら、お客様は提案されたカット・パーマ・カラー・・・をすることで将来的に自分がどう変わっていくかがイメージできると提案に肯定的な行動をとってくれるようになります。
映画化されるようなベストセラー本や名曲とされる曲の歌詞、又は自分のことのように映るCMなどは背景がイメージできるもの、印象に残るフレーズが多いです。
イメージできると自分のことのように置き換える事ができるため人気の作品になるのです。
ですので、いかに自分の提案でお客様の将来を見せれるかがカギになります。
スタンフォード大学のジェニファー・エイカー教授の研究によると数字や事実を羅列するよりストーリーがあることで最大22倍、人の記憶に残りやすいとされています。
男性脳・女性脳の違いはありますが、女性を中心に仕事をしているのであれば、データ中心の男性脳よりはイメージ中心の女性脳に対して、ストーリーティングは特にアプローチをして行きやすいと思います。
お客様にとっての価値
私たちの提案はお客様にとってどのような価値があるのかを考えてみましょう。
- 見た目が変わる
- 華やかになる
- かわいくなる
- カッコよくなる
- 明るくなる・おとなしい印象になる
- 動きがでる
- 日頃の手入れが簡単になる
- 人と違う印象になる
- 似合う
- etc
ざっと上げただけでもこれほど出ます。
お客様の金銭事情やビジネスとしての提案だとお客様への提案として届かないばかりか、価値が見いだせず信頼を失ってしまいかねません。これを恐れるあまり提案に尻込みしてしまうスタッフが後を絶ちません。
あくまでお客様へよりよくなるための提案です。変な商売っ気を出さず堂々と「~をすることで~な印象に変化します。普段の手入れも楽になりますし、~さんにお似合いになりますよ」と言い切ればよいです。堂々としていると「そう?」「まあたぁ~うまいこと言って!」とまんざらでもない様子になります。しっかりと価値を伝えるのです。
経験を話す
自分の経験を失敗も含めて話すとよいです。
余計なプライドはいりません。容赦なく切り捨ててください。成功だけの話を聞いていてもお客様へは伝わりません。なぜなら完璧にできる人、事、物などないことをお客様もわかっているからです。
むしろ失敗から転じた成功話ほど人には届きやすいです。
スラム出身のビジネス成功者、家族を支えるためコブシ一つでのし上がった格闘家、究極の貧乏からピアノ一つで世界的な作曲家になった・・・世界的コンピューター会社アップルやアニメーションのピクサー、ボクシング映画のロッキーなど成功の背景には失敗や挫折が必ずあります。
実はこのパーマはモデルさんで何度か失敗したんですよ。でも根元のボリュームや毛先のダメージなど、ホームケアで一番気になるところをとことんスタッフ同士で追求したので、自信をもって提案させてもらってます。
と言い切られたら、「研究を重ねた」といわれるより具体的に伝わりますよね。
これは「スターウォーズ」や「ハリーポッター」等にも使われる「ヒーローズ・ジャーニー」という技法で
- ミッションを知る(新しいパーマを追求・提案したい)
- 旅が始まる(新しいパーマを自分のものにしよう!)
- 未知との遭遇(新しい薬や巻き方など)
- 守護者との出会い(チャレンジすることで仲間やお師匠さんとのコミュニケーションが生まれる)
- 試練との遭遇(失敗により自分・基本を見つめ直す)
- 変容(今まで以上に真剣に向き合うことで新しいことが見えてくる)
- ミッションコンプリート(自分のものになり、習得する)
- 帰還(お客様へ価値のある提案ができる自信がついた)
を効率的に組み込んでいます。
今回はパーマで例えましたが、カットやカラー、人生におけるすべての事柄に当て込むことができます。
自分の現在地からチャレンジすることやテーマを見つけるために使えます。
思いやりを持つ
例えば。自分の息子や娘、お嫁さんや旦那さん、大切な友人が「パーマかけたいんだけど」と相談してきたら。
自分の知識や経験をフルに使って最小限のダメージで最大限の再現性を求めるための最善の方法を選択しないだろうか。
同様にお客様にも思いやり、愛情をもって接することを心がけましょう。「このスタイリストはここまで私のことを考えてくれているんだ!」と思いは伝わります。
決して大げさに話さなくてよい
話をしなくては!とついつい「盛って」しまいがちな人もいます。
後々自分が辛くなるだけですし、聞いているお客様も「私じゃ無理かも」「私はそこまでは・・・」と提案が届かないこともあります。
自分の経験した事は経験通りに話したらよいですいし、お客様も投影しやすい=共感しやすいです。
そこで先ほどの「私のお客様からは2か月位持つといわれた」が効いてきます。無意識に直接届ける言語スキルとして例え話を複線として入れておくのです。
メンタリズムとしての効果を使う事にもなりますし、武道家やマジシャンも自分の技術を成功させる為に使います。
自信もあるって言ってるし、評判もいいみたいだし、似合うって言われたからやってみようかしら。
決してだましているわけではないですよね。実体験から出た提案ですしお客様の実際の声です。
「お客様の声」は書籍や映画、スーパー、商品紹介など至る所で見かけます。なぜか考えたことありますか?答えは簡単です。購買意欲の向上が見られる一番効果的な方法だからです。
また、おすすめされている商品が高額であれば購買には勇気が入りますが、「ヴェブレン効果」と言って、商品が高額であればあるほど信頼感は高まり、満足感も高まる。と言う効果を生みやすいのです。
ですので自分たちも有効に使わない手はないです。
上手にカウンセリングをしようと思わない
カウンセリングはテクニックも必要ですが、相手を思いやること、相手の考えを知ることも大切な要因です。
テクニックが身に付いてくると技法ありきの行動になってしまい、段々に見透かされてしまいます。普段のコミュニケーションから相手の好きな事、大事にしている物などをさりげなくリサーチしながら会話に盛り込んでいく癖をつけると、自然と会話はスムーズに進むようになります。
出来れば、2手3手先を読みながら柔軟に会話を進めていけるようにコミュニケーションをとって行きましょう。
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